片想いの異性や好きな恋人のことは、なぜか素晴らしくて輝いて見えるものだ。
例えば、普通に暮らしている平凡な恋人たちが、お互いを美男美女だと信じていたりする。
このような勘違いは恋愛感情が非常に主観的なもので、周囲が見ている状態と当人たちが見ている状態が大きくずれているため起こるのだ。
今回は、恋愛中の判断力について説明していく。
恋愛中の判断力
恋愛中に恋人ばかりを見ているときは、とても大きな幸福感を感じられるが、同時に非常に危ない状態でもある。
家族も友人もすべて後回しにして恋人優先、という人がいるが、そうなると同性からは付き合いが悪いと思われてしまう。
恋人が最優先になったり、恋人と一緒にいると自分を見失なうときがあるのは、脳の仕組みに関係があるのだ。
恋愛中の勘違い、調査・実験
アメリカで行った調査で、恋愛中の考えについての調査結果がある。
心理学者が大学生たちにある恋愛体験の本を読ませて、自分の体験に共通点があるかを聞いた。
本の内容は、23歳の男性と19歳の女性の話だ。
二人は初対面で、月曜日に同じ列車の通路を隔てた真向かいに偶然座る。水曜には男性が初めて通路を横切り、女性の隣に座った。
木曜には結婚を約束し、金曜に親の承諾無しに結婚できる州までわざわざ出向いて結婚した、というロマンチックな話だ。
女性は水曜日の段階で、
「私たちは目で十分会話をした」
と考えており、もし男性からプロポーズされていたら受け入れる覚悟を決心していたそうだ。
珍しくドラマチックな体験を読んだ大学生のうち、40%は、
「自分の体験と共通点が非常にある」
と答え、20%は
「共通点がある」
と答えた。
客観的に考えて、これほどのドラマチックなことが、半数以上の学生の身に起こっているとは考えにくい。
だが、それを勘違いしてしまうほど、恋愛とは主観的な感覚に支配された経験なのだ。
脳科学者のセミール・ゼキ教授が行った実験
ほかにも、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジで脳科学者のセミール・ゼキ教授が行った実験がある。その方法はMRIを使い、被験者に好きな人の写真を見せるのだ。
見せた途端、物事の判断に重要な働きをする前頭葉の機能が低下し、人は正しい判断を選ぶことが困難になることがわかった。
つまり、人は恋愛をすると正しい判断力ができないのだ。正しい判断を選ぶためにも、相手のしぐさをしっかり観察して、嘘を見抜こう。
恋をしているときの脳
・恋人と一緒にいると自分を見失なうときがあるのは、脳の仕組みに関係がある。
・人は恋愛をすると正確な判断力を保てない。
・恋愛は主観的な感覚に支配された経験。