言葉なら相手の気持ちを容易く判断できますが、言葉以外で判断しようとすれば難しくなります。
他人がいつも言葉や態度どおりの気持ちで行動している、とは限らないからです。
今回は、無意識にでる表情の変化について説明します。
相手の本心を見抜く
もし、あなたが面倒くさい仕事を上司に頼まれたとしても、それを嫌な顔で引き受けるのは難しいでしょう。
それが重要な仕事だったらなおさらです。
ですが、相手が会社の上司ではなく大切な恋人ならば、恋人の本心を知りたいという気持ちが当然強くなります。
しかし、毎日が幸せでバラ色に感じる恋愛も、実は片方の気持ちはすでに冷めていて終わりが見えている、ということもあります。
そんな相手のネガティブな気持ちにまったく気づけず、ある日突然別れ話を切り出され、やっと心離れに気づいたのでは、もう修復は不可能です。
ですが、そうなる前に相手の本心を読みとるヒントは必ずあります。
そのヒントは、相手の表情のどこかに表れているのです。
表情の変化
人の感情は、顔の表情でだいたいがわかります。その表情の筋肉を完璧にコントロールするのは、以外と難しいもの。
心理学者・カシオッポの実験によると、人のいろいろな感情は、頬骨筋(きょうこつきん)と皺眉筋(しゅうびきん)によく表れています。
特に好き嫌いの差が激しいほど、この2つの筋肉の変化が明らかだったと言います。
頬骨筋は口と目の間にあり、皺眉筋は眉間にあります。
気分が良くなったときは頬骨筋が動いて、口元がゆるんだり口角が笑顔を作るように上がったりしています。
ですが、嫌悪感や罪悪感を抱いたときは皺眉筋が反応するのです。
眉間にシワが寄ったり、目つきが鋭くなったり、緊張感のある表情になったりします。
性格が明るくて調子のいい人でも、いつもいつも愛想笑いをしている人でも、この表情筋を一瞬で変えることは不可能です。
最初に顔を見たときや何かに反応した直後など、とりつくろう隙のないほんの一瞬に、これらの表情筋は本心は表しています。
隣で幸せそうに笑っている恋人が、本心では冷たくあなたを観察し別れの瞬間をカウントダウンし始めているということもあるのです。
「最近、ちょっと距離感があるかもしれない」と感じたら、取り返しがつかなくなる前に表情チェックで関係を修復するといいですね。
まとめ
・表情を完璧にコントロールするのは難しい。
・心理学者のカシオッポによると、人の感情は、頬骨筋と皺眉筋によく表れている。
・好感を感じたときは頬骨筋が動き、嫌悪感や罪悪感を抱いたときは皺眉筋が反応する。