
記憶とは不思議なもので、昔から記憶についての研究は多くありました。
英語の単語を早く覚えたいがために、記憶力をあげたいと考える学生はたくさんいるでしょう。
記憶を可能な限り長期的にするにはどうすればいいのでしょうか。
今回は、記憶を長期的に覚えられる手順を説明します。
短期記憶から長期記憶に
人間が何かを覚えるときには、一定の順番で物事を覚えていることが多いです。
最初は一つ一つの文字をただの文字として覚えています。このことを心理学では感覚貯蔵と呼びます。
例 原子は物質を作っている最小の粒
↓
「げ」 「ん」 「し」 「は」 「ぶ」 「っ」 「し」 「つ」…
この一つ一つの文字、意味のないただの文字を、意味があるものとして認識していくのです。
この文はどんな意味があるのか、何を意味しているのか、というのを認識するためにある短期的な記憶です。
このことを、短期記憶といいます。
短期記憶までは勉強しているときに無意識にやっていますが、言葉の通り短い記憶なので約15秒〜30秒ですぐに忘れてしまいます。
これを長期的な記憶に変えるためには、忘れてしまう前に何度も何度も繰り返してノートに書いたり、頭の中で単語や意味を復唱して覚えればいいのです。
この作業をすることでやっと自分が、覚えられたと感じられるような長期記憶になります。
この作業のメリットはノートに何回も書いても勿論覚えられるのですが、頭の中で繰り返すことでも覚えられること。
自分も学生のころ、学校の休憩時間などに頭の中だけで単語や意味を繰り返していたときがありましたが、先生が黒板に書いたことをノートにうつすだけの作業よりも、ずっと長く覚えられました。
そのため、ノートにうつすよりも頭の中で意味を繰り返す方法をオススメします。
他の方法
もちろん、他にもたくさん物事を覚えられる方法があります。
一つ目の覚え方は覚えた内容を絵に描き、見て覚えることです。
例えば、酸素の分子では丸が二個左右に並べられているだけですが、言葉で言われるよりも実際に見て覚えたほうが効率がいいですよね。
二つ目は学生の人がよくしている、語呂合わせ。
自分が始めに知った語呂合わせで例えると、
710年 なんと立派な平城京
など、年号と出来事を違う言葉で書き換える方法です。
全ての方法を試してみたが全く覚えられない人は、以下の方法を参考にしてください。
記憶を思い出す
短期記憶を何回も繰り返して長期記憶にすれば、時間がたっても思い出しやすい状態になります。
一度、長期記憶になった記憶はすぐには忘れないですが、覚えたはずの記憶がどうしても思い出せないときがあるのは何故なのでしょうか。
記憶が思い出せない原因、そのときの対処法を紹介します。
記憶が思い出せない原因
中学生や高校生の頃、テストをやっている時間に、「昨日、頑張って暗記したはずなのにどうしても答えがでない…」と悩んだことは、誰でも一度は経験したことがあると思います。
このようなとき、本当は記憶は頭の中にしっかり残っているのですが、疲れが溜まっていたり緊張しているとき、あるいは寝不足などのときには記憶していたことが思い出しにくい状態になっています。
記憶を思い出しやすくするためにも、前日にはしっかり睡眠を取るようにしましょう。寝るのに引け目がある場合は、昼寝をするといいですね。
リラックスをする
テストや仕事などの緊張しているときとは違う、普段部屋にいるときにも物事を忘れることがよくあります。
「さっきここに置いたはずの携帯がない」
「明日、何を買うのか忘れてしまった」
そのような度忘れをするときがあるでしょう。
度忘れしたときは無理に思い出そうとせず、気持ちが落ち着ける音楽を聴いたり、ボーとしたりするとふいに思い出すことがあります。
お酒を飲んだときの記憶
もう一つ記憶が思い出せないときがあります。それはお酒を大量に飲みすぎたときです。
「昨日はイライラして、いつもよりお酒を飲みすぎてしまったが、途中から自分がどうなったのかよく覚えていない…」
ということも、成人の方なら経験したことがあると思います。
このように、お酒を飲みすぎて記憶がなくなることを心理学ではアルコール・ブラックアウトといいます。
お酒の記憶は、しらふのときに酔った状態のことを思い出そうとしても、なかなか思い出しにくいもの。
ですが、もう一度お酒を飲んで酔っ払えばしらふのときよりも、思い出しやすくなりますよ。
まとめ
・記憶には感覚貯蔵と短期記憶、長期記憶の三つがある
・ノートに書いて単語や意味を繰り返すと長期記憶になる
・ノートに書くよりも頭の中で繰り返したほうが効率がいい
・言葉の語呂合わせでも覚えられる
・体や心に負担があると、記憶していたことが思い出しにくい
・記憶を忘れてしまったときは、一旦リラックスする
・アルコール・ブラックアウトとは、お酒を飲みすぎて記憶がなくなること