前回の強い愛情は、自分の予想を越えると強い憎しみに変わるでも説明したが、なぜ身近な人ほど強力な怒りを感じやすいのだろうか。
そもそも怒りとは、どのタイミングで感じるのだろうか。
今回は、身近な人に対する怒りについて説明していく。
怒りを感じるとき
自分の意見とは異なる人がいるとケンカをしやすいが、それは特に珍しいことでもなく、多くの人はその怒りや違和感を抑えて相手と会話を続けることができる。
だが、自分の傍にいる心を許した人には普通に怒りを表し、そこから憎しみに変化することすらある。
なぜ、他人に対する怒りは抑えることができて、身近な人には怒りを抑えることが難しいのだろうか。
そもそも怒りの感情は、なにが起きたときに感じるのだろうか。
ウィーンの心理学者アルフレッド・アドラー(Alfred Adler)は、身近な人に対する怒りは、自分自身が正しい、と思う心理から出ていると説いている。
「自分の意見が正解なのに、わかってもらえない」
身近な人に対して、このように感じると、その心理は怒りに変化してしまう。
その反対側には寂しさや悲しみの感情がある。
自分から見て愛おしい人、大切な存在の人なのに自分の意見に賛成してもらえないのはとても辛いこと。
その暗い感情が、怒りの感情に変化してしまうのだ。
「親だからこそ、自分の気持ちを理解してほしい」
「恋人だからこそ、何も言わずにわかってほしい」
という願望が、寂しさや悲しみの裏側に存在している。
だが、その心理をストレートに伝えて、否定をされたら、なおさら心が辛くなってしまう。
そこで、人は自分の精神を防御するため、怒りという感情を表にだすのだ。
もしあなたが、身近な誰かに怒りを感じたとき、または身近な人から怒りを伝えられたときは、その反対にある本心の願望を考えてみるといい。
まとめ
・ウィーンの心理学者アルフレッド・アドラー(Alfred Adler)は、身近な人に対する怒りは、自分自身が正しいと思う心理から出ている、と説いている。
・身近な人に対して、怒りを感じているとき、反対側には寂しさや悲しみの感情がある。
・自分の意見をストレートに伝えて、否定をされたら、なおさら心が辛くなってしまうため、人は自分の精神を防御しようと、怒りという感情を表にだす。