
心理学では、群衆心理という用語があります。
今回は、群衆心理を説明します。
こんな人にオススメ!
・心理学用語の群衆心理の意味を知りたい
・群衆心理のわかりやすい説明が知りたい
・いじめを心理学で説明してほしい
群衆心理とは
群衆心理を説明する前に、群衆の意味を説明します。
群衆とは、さまざまな人が一か所に集まることです。
なにか事件が起きたとき、関係ない人が事件現場でウロウロしていますよね。
あれも、群衆といえます。
他にも、お店でバーゲンセールが行われたときには人が集まりますが、あれも群衆になります。
しかし、バーゲンセールが行われていない、目的のない無関心の集まりは群衆とはいいません。
不思議ですよね。
なにかしらの目的があるなら群衆、ないならただの集まりと覚えればいいと思います。
群衆心理の意味
群衆心理とは、群衆のなかで行われることです。そのままですね。
集団心理ともいわれます。
群衆心理の基本的な内容は、イタリアの社会心理学者S・シゲーレとフランスの社会心理学者ル・ボンによってだいたい決められました。
S. シゲーレは群衆心理だけではなく、犯罪心理学についての本もいくつか出しています。
二人によって基本を決められた後、イギリス生まれの心理学者W・マクドゥーガルは群集心理の特徴として、
・(1)過度の情動
・(2)衝動性
・(3)暴力性
・(4)移り気性
・(5)一貫性の欠如
・(6)優柔不断
・(7)極端な行為
・(8)粗野な情動と情緒の表出
・(9)高度の被暗示性
・(10)不注意性
・(11)性急な判断
・(12)単純かつ不完全な推理
・(13)自我意識、自己批判、自己抑制の喪失
・(14)自尊心と責任感の欠如による付和雷同性
を上げました。
いろいろ群衆心理の特徴が書かれていますが、ようはS・シゲーレとル・ボンが言っていることと同じようなものです。
群衆心理の例・スポーツ
例えば、誰かとスポーツをするとき、一対一ならお互い勝ち負けにこだわりません。
キャッチボールがいい例です。
キャッチボールは楽しんだり暇つぶしにやるもので、競い合うものではありません。
しかし、これが複数人になると話は変わっていきます。
キャッチボールで三体三になると、負けないように本気になるのです。
ドッチボールがそうですよね。
ドッチボールも楽しめるスポーツですが、続けていくうちにだんだん本気になっていきます。
集団になると、正しい判断ができなくなり、興奮しやすくなるのです。
このような群衆で起こることを群衆心理といいます。
群衆心理の例・いじめ
他にも、いじめと群衆心理は関係あります。
AさんがBさんを嫌いな場合、ただ嫌っているならAさんがBさんを無視したり避けるだけで終わります。
一対一なら、大きな問題は起きないのです。
しかし、AさんがBさんをいじめようと、他の人に協力を頼んで仲間を集めたら、他の人もBさんを嫌いになります。
そして、それがヒートアップしていじめに発展するのです。
いじめは群衆のなかで起きるので、群衆心理になりますよね。
まとめ・群衆心理とは
群衆とは、さまざまな人が一か所に集まることです。
目的のある集まりのことを群衆といいます。
群衆心理とは、群衆のなかで行われることです。集団心理といいます。
群衆心理の基本的な内容は、イタリアの社会心理学者S・シゲーレとフランスの社会心理学者ル・ボンによってだいたい決められました。
いじめを群衆心理によって、起こるものです。
泡お化けのコメント
この本には、群衆の定義や流れを具体的に説明しています。ローマ帝国、フランス革命などの実際に合ったことを例としているため、読みやすいですね。少し前に書かれた本ですが、今読んでも違和感は感じません。主にフランスの出来事を具体例にしています。群衆の意味だけではなく、対処法も説明しているのがポイントです。