欲求不満は人が良い方向に成長するために必要なものだが、ときにはその欲求がなくなってしまうときがある。
今回は、無気力になってしまう人の心理を説明していく。
無気力になる心理
オーストラリアの精神医学者ヴィクトール・エミール・フランクル(Viktor Emil Frankl)の考えによると、人を無気力にしてしまう欲求不満があると言う。
このことを心理学で実存的欲求不満と言う。
フランクルは、精神医学者と心理学者でも有名な人物だ。
人は、自分が生きている意味や目標を作ろうとする心理を持っているが、実存的欲求不満になってしまった人は、そのような健全な心理をなくしてしまう。
例えば、目標をこなそうと何度もチャレンジしてもこなせなかったり、物凄い努力をしても意味のない行動と捉えてしまうと、
「今は辛くて苦しいけど、何度もチャレンジすれば目標にたどり着ける」
というような将来の希望を持てなくなったり、自分が生きている意味が見えなくなってしまう。
そうなると、毎日を意味もなく過ごしたり、自分の心理や自由を重要にしないような生活をするようになる。
「どうせ自分はチャレンジをしても無理だ」
という無力感に陥ってしまうのだ。
コンプレックスやトラウマ
コンプレックスやトラウマなどの精神的な原因にも、実存的欲求不満が関係しているとフランクルは指摘している。
人が精神生活を過ごすとき、自分が生きている意味があることは、とても重要なことなのだ。
フランクルは、第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ捕虜収容所に捕まった経験がある。
その残酷な体験を自分自身が経験したため、その考えにたどり着いたのだと言えるだろう。
まとめ
・オーストラリアの精神医学者ヴィクトール・フランクルの考えによると、人を無気力にしてしまう欲求不満、実存的欲求不満があると言う。
・何回もチャレンジをして失敗をすると、無力感に陥ってしまう。
・フランクルはコンプレックスやトラウマなどの心理的な原因にも、実存的欲求不満が関係していると言う。