日本は戦争のような争い事が少なく、余程のことがなければ衣食住には困らないが、
「今よりも、もっと楽に暮らしたい」
「毎日を苦労せずに幸せになりたい」
と、いう欲求は生きていく上で必ずある。
戦争がある場所に生きて、食べ物はおろか明日生きられるかわからない人々のほうが、満足そうな笑顔をして見えるのはなぜなのだろうか。
今回は、人の欲求不満について説明していく。
マズローの欲求五段階説
アメリカの心理学者アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow)によると、こうした欲求不満が人にあるのは自然な心理だと説明している。
マズローは人間性心理学にもっとも関わっていた心理学者だ。
マズローは、人の欲求には四段階の基本的欲求とその上の成長欲求があり、一つ目の欲求を満足すると次の段階の欲求が出てくると主張した。
一番初めに出るのが食べる、寝る、排泄という人が必ず行う生理的欲求(physiological need)が生まれる。
次に求めるのは、身の安全や安定を確保したいと思う安全欲求(safety need)。
その二つを満足すると仲間や集団に受け入れられたい、という所属欲求、愛情欲求が出てくる。
そしてそれを満足すると人から認められたい、尊敬されたいという承認欲求、自尊欲求が生まれる。
このことからわかるのは、一つの欲求を満足することで次の欲求が生まれるということだ。
欲求不満を満足させることによって、人はどんどん成長することができる。
だから、衣食住に満足している人たちが、
「もっと楽に暮らしたい」
「人から誉められたい」
と会社の仕事やテスト勉強を一生懸命頑張ったり、
「素敵な恋を経験してみたい」
「幸せな結婚がしたい」
と恋人探しに夢中になるのは自然なことなのだ。
高いレベルの欲求不満
欲求にはもう一段階あり、それは自己実現欲求というものだ。
自分の能力や可能性を高めたいと考える成長欲求で、これはとても高いレベルの欲求になる。
このすべての欲求を合わせて、マズローの欲求五段階説と言う。
この欲求を満足させようと考え、行動を開始したとき、人は充実した人生を切り開くことができるのだ。
まとめ
・心理学者、アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow)によると、こうした欲求不満があるのは自然な心理。
・アブラハム・ハロルド・マズローは人間性心理学にもっとも関わった心理学者。
・マズローの欲求五段階説とは、生理的欲求、安全欲求、所属欲求・愛情欲求、承認欲求・自尊欲求、自己実現欲求のこと。