恋人やパートナーに暴力をふるう男性が少なくありません。
そういう男性とかかわりを持ってしまうと、「どうしてこの人は暴力をふるうのだろう」と不思議に感じるに違いありません。
ここでは、なぜ恋人やパートナーに暴力をふるうのか、dv男の心理を見ていくことにします。
自分の思いどおりにならないと気がすまない
dv男にはいくつかのタイプがありますが、どのタイプにも共通しているのが幼児性の強さでしょう。
幼い子どもは自分の思い通りにならないと、親に駄々をこねて泣きわめいたりするものですが、dv男は大人になってもそんな幼児性がまったく抜けていません。
買ってほしいおもちゃがあると、「買ってくれなきゃいやだー」と駄々をこねる幼児のように、自分の思い通りにならないと暴力に訴えて相手を自分に従わせようとするのです。
ふつうは大人になると、自分の希望はあっても、ほかの人と折り合いをつけながら調整しようとするものでしょう。
がまんしなければならないことをがまんできるのがふつうの大人ですが、dv男はがまんすることができず、暴力に訴えるわけです。
自分の思い通りにならないと気がすまないというのが、dv男の心理ということになります。
相手を独占したい
恋人やパートナーを独占したいと思っているのも、dv男に共通する心理でしょう。
男性には独占欲が強い人が少なくありませんが、相手を独り占めしたいという意識が強いと、どうしても相手を束縛しようとします。
そして、少しでも相手がその束縛から逃れようとしていると感じると、それが許せず、暴力によって束縛しようとするわけです。
ここにも、幼児性の強さがあらわれていると考えていいでしょう。
幼児は気に入っているおもちゃがあると、自分一人でそのおもちゃを独占しようとします。
その結果、おもちゃの取り合いになって兄弟げんかが起こることもめずらしくありません。
恋人やパートナーに対して「独り占めしたい」という欲求を人一倍強く持っているため、その欲求が満たされないと暴力をふるうわけです。
自分の考えが正しいと思い込んでいる
dv男には根拠のない自信家が少なくありません。
人からみると、「どうしてあんなに自信満々なんだろう」と不思議に思えるほど、自信家であるケースがよくあるのです。
こういうタイプの男性は、常に「自分の考えはぜったいに正しい」と思い込んでいます。
そのため、恋人やパートナーと意見が衝突すると、「おまえはぜったいに間違っている」という確信から、暴力を振るって自分の意見に同調させようとするわけです。
自分は正しいという強い思い込みがありますから、相手と話し合って意見の折り合いをつけようという意識はまったくありません。
dv男は聞く耳を持たず、自己主張だけをすることがよくありますが、それはそうした根拠のない自信からきていると考えていいでしょう。
気が弱く自信がない
それとは反対のタイプのdv男もいます。
そういうタイプのdv男には、気が弱く自信がないという心理があると考えていいでしょう。
多くの場合、dv男は外面がよく、ほかの人には優しくふるまい、恋人やパートナーと二人になると急にdv男の正体を現すものですが、それは、自分より弱い立場の人間限定で、dvを働くためにほかなりません。
自分よりも強い人間にはけっして暴力をふるうことがないのは、つまり、自分の弱さを知っているためなのです。
臆病で小心、たとえば職場の上司に対しては服従し、びくびくしているというのが、このタイプのdv男の心理です。
自分よりも弱い人間を責めることで、自信のなさをカモフラージュしていると言い換えることもできるでしょう。
常にストレスがたまってイライラしている
自分では自覚していなくても、ストレス解消のために恋人やパートナーにdvをふるうというケースもあります。
このケースのdv男は、人一倍ストレスを感じやすく、ストレスをうまく発散することができません。
たとえば、仕事をしているときでも、ちょっとしたことでストレスを感じてしまいます。
多くの人は、仕事が終わった後で飲みに行ったり、好きな趣味をすることでそのストレスを軽減、解消するものでしょう。
しかし、dv男にはそれができません。
人一倍多くのストレスを感じる上に、そのストレスをどんどんため込んでしまい、ほかに手段を持たないためにdvをすることでストレス解消しているのです。
発散できないストレスをため込んだ結果、常にイライラしているというのが、このケースでのdv男の心理ということになるでしょう。