
相手に自分のすべてを尽くす愛、というと、あなたはどんなイメージを持つだろうか。
恋人の望みを必ず叶え、どんなにひどいことや辛いことをされても、決して別れを切り出さない。
という、尊くて一途で好印象なイメージを持つ人もいるだろう。
だが、人によってはその心理を恋人にさんざん利用され、必要なくなったらバッサリ切り取られる、というイメージを持つ人もいるのだ。
今回は、尽くす愛について説明していく。
片方だけが尽くす愛
現実では、カップルの片方だけが片方に尽くす関係は長続きしにくいようだ。
なぜならば、相手に尽くしているほうは心の片隅で、
「これだけ一緒懸命尽くしているんだ。お返しにきっとすごく愛してくれるはず」
という、見返りを欲しがっているからだ。
だが、尽くされたほうは強制で断りにくい対応に居心地の悪さを感じるか、または依存的になってだんだんとワガママを言い始めるなどの態度をすることが多い。
ときと場合によって甘やかすこと、甘やかされることにお互いに心地良さを覚え、共依存に陥る可能性もある。
いずれにしても、尽くすほうが見返りを求めるように、同じように尽くし返してもらったり、強い愛情を与えられることは、期待できない。
調査
カップル間のバランスについて調べた調査では、
「相手にあまり恩恵を受けていない」
という心理を感じている人と、
「相手から恩恵を受けすぎている」
と感じている人たちは、ともに性的なことを避ける傾向がみられた。
性的な関係をつなげるためには、カップルがお互いにバランスの取れた立場でいることが大切なカギとなっているのだ。
そして、恋愛関係が長続きしているのも、公平性においてバランスが取れていると答えたカップルだった。
相手の心を自分だけにつなぎ止めておきたいのはわかるが、ただすべてを尽くし続けるのは、健全なカップルとは言えない。
尽くし続けると、いずれは疲労し、破錠してしまう。
相手に夢中になっている瞬間ほど、その関係はバランスが取れているかどうか、冷静に判断する心理が重要になってくるのだ。
真心の尽くす愛
見返りを求めて尽くす方法だとカップルとは言いにくいが、本当の意味で相手に尽くすのなら真のカップルと言えるだろう。
具体的に説明すると、相手に日頃の感謝を示すためにプレゼントを贈るなどのこと。
自分が本当に望んでいることを相手にしているため、不安を感じることや心理的に疲れることがないのだ。
プレゼントをもらった相手も、感謝の意味なら素直に嬉しくなるだろう。
愛情と物
異性と付き合っていて幸せだとしても、愛情が目に見えず、不安になることがあるだろう。
その不安があるため、たまに物で愛情を求めている人がいるが、その方法で愛情を求めていても意味がない。
もし、付き合っている恋人から「愛されている証拠がほしい」と言われたら、あなたはどのように行動するのだろうか。
人によっては、高価な物をプレゼントしたり、相手の望む言葉を贈ったり、自分の秘密を教えたりするだろう。
だが、そもそも愛情というのは目に見えず、形の見えない物だ。
形が見えないからこそ、愛されているのか不安になり、お互いへの愛情が試されることもしばしばある。
「〇〇さんは本当に自分を好きなのだろうか」
「〇〇は自分と付き合っていることに後悔はしていないのだろうか」
そう、不安に思うことも少なくはないだろう。
それが、長い間付き合っている関係ならなおさらだ。
人によっては、そのような不安を無理やり拭い去ろうと、お金や物で愛情を伝えようとする人がいる。
恋人の心をいつまでも自分に向けさせておきたくて、高価な物をプレゼントをしたり、デートをするたびに大金をつぎ込んだりするのだ。
だが、このように愛情を目に見える形で何度も交換しようとする人は注意しなければならない。
物で愛情を求めているタイプの人は、
「愛されたい」
という想いが強ければ強いほど、高価なプレゼントなどを相手に贈り続ける。
報酬の原理とコストを恋愛にも使うため、相手に注ぎ込んだ金額と同様の愛情が手に入ると考えているからだ。
そうして、相手の気持ちが離れていこうとすると、贈った金額や金品を取り戻そうとする。
「あんなに物をプレゼントしたのに、愛情が手に入らなかった」
このように考えるのだ。
もしそれが別れ話になると、
「今までに払ったデート代を返せ!」
などという揉め事が起こることがあるが、これは愛情をお金や物に交換して考えているからだろう。
愛情と交換がされやすいものは、お金や物のほかに、社会的地位や名誉、身体的魅力、情報、相手への束縛などがある。
だが、愛情を手に入れたいのなら愛情でしか交換することはできない。
愛情以外のなにかと置き換えようとしても、お互いに満足のいく関係になりにくく、トラブルになることが多い。
つまりは、愛情は愛情でしか交換できず、それ以外の物でやると失敗する可能性が高いのだ。
相手の愛が欲しいなら、まずは自分が愛を贈ろう。
そうすれば、相手からもしっかりと愛がもらえるはずだ。
まとめ
・カップルの片方だけが片方に尽くす関係は、長続きしにくい
・相手に尽くしているほうは心の片隅で、見返りを欲しがっている
・愛情を目に見える形で交換しようとする人は注意しなければならない
・愛情と交換がされやすいものは、お金や物、社会的地位や名誉、身体的魅力、情報、相手への束縛など
・愛情は愛情でしか交換することはできない